知ってれば得するかも?人事・労務最新情報(2017年8月)

知ってれば得するかも?人事・労務最新情報(2017年8月)

「求人票の記載内容」と「実際の労働条件」の相違の実態

☆「賃金」に関する相違が最多
今月初めに厚生労働省から「ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数(平成28年度)」が発表されました。
これによると、平成28年度における申出・苦情等の件数は9,299件(前年度10,937件)となり、内容別の件数は以下の通りとなっています。
【内容別件数】
・賃金:28%(前年度24%)
・就業時間:21%(同19%)
・職種・仕事の内容:14%(同13%)
・選考方法・応募書類:11%(同12%)
・休日:10%(同9%)
・雇用形態:8%(同7%)
・社会保険・労働保険:7%(同7%)

☆「求人条件と実際の労働条件が異なる」場合の対応状況
ハローワークでは、求人を受理する際に、原則として対面で求人条件を点検するなど、求人内容の適法性・正確性の確認に努めているほか、採用結果の確認時に相違がある旨の報告を受けた場合は、事実を確認し、必要に応じて是正指導等を実施しています。
そして、求職者から「求人条件と実際の労働条件が異なる」といった相談があった場合には、迅速な事実確認と必要な是正指導を行うほか、法違反のおそれなどがある場合は以下の対応を行っているとのことです。
【対応状況の内訳】
・求人票の内容を変更:982件(27%)
・職業紹介の一時保留:330件(9%)
・求人取消:311件(9%)
・求人票に合わせ労働条件を変更:196件(5%)
・その他(求人票が無効等)…1,789件(50 %)

☆要因別の件数は?
 なお、相違についての要因別件数としては、「求人票の内容が実際と異なる」(39%)と「求人者の説明不足」(25%)で全体の3分の2程度を占めており、「言い分が異なる等により要因を特定できないもの」が10%で続いています。

今どきの就活生は「職場の雰囲気」を重視!人手不足解消のためのアプローチ

☆「人手不足」がますます深刻な状況に
厚生労働省によると、4月の有効求人倍率は1.48倍(5月30日発表)。バブル期のピークだった1990年7月(1.46倍)を上回り、1974年2月(1.53倍)以来43年2カ月ぶりの高水準を記録しました。
企業の求人は増加する半面、求職者数が減少しており、企業の「人手不足」は、ますます深刻な問題となっていると言えそうです。

☆就活生は「人」を見ている?
このような状況でも良い人材を確保するために、企業はどのようなことに取り組んでいくべきでしょうか。就活生がどんな点に注目して実際に入社した企業を選択したかが、1つの参考になりそうです。
この点、東京商工会議所「中堅・中小企業の新入社員意識調査」(6月6日発表)によると、「入社した会社を選んだ理由は何ですか」との問いに対し、「仕事の内容が面白そう」(44.2%)、「職場の雰囲気が良かった」(39.3%)、「自分の能力・個性が活かせる」(37.0%)が上位となりました。
注目したいのは、4割近くが「職場の雰囲気が良かった」ことを理由に入社企業を選んでいるということです。仕事の内容を変えるのは困難ですが、職場の雰囲気を、明るい、働きやすいものに変えていくことはで可能です。
職場の雰囲気が人材確保のために重要であることは、公益財団法人 日本生産性本部「職業のあり方研究会」の調査研究結果からも明らかです(「平成29年度 新入社員の特徴」3月23日発表)。
同調査では、平成29年入社組の就職活動の特徴として、就職先の条件にパワハラのないことを重視する傾向が見られたとしています。

☆就活生に接する社員の対応が大切
上記のことを踏まえれば、人手不足解消のためのアプローチの1つとして、就活生に接する社員(面接者はもちろん、受付等を行う社員も含む)の対応を見直してみたいものです。
実際、前述の東京商工会議所の調査では、29.6%が「採用担当者・社員に好感が持てた」ことを入社の理由に挙げています。
まずは、就活生へのにこやかな対応、親切な対応を心がけてみましょう。

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